朝の25分から始まった、小さなプログラムの話

朝の25分から始まった、小さなプログラムの話

朝の25分を守るために作り始めた小さなプログラムは、気づけば「今日は何を考えるべきか」を整える道具になり始めていました。この記事では、その出発点と、ただのタイマーで終わらせたくなかった理由を書きます。

朝は、世界がまだうるさくなる前の時間です。通知も期待も届ききっていません。昼より頭のノイズが少ないからこそ、何かを作るならこの時間しかないのではないか。そんな感覚がありました。

最初に欲しかったのは、25分だけ書き続けられる場所

最初に作ろうとしたのは、とても小さなものでした。大げさな未来の装置でも、世界を変えるアプリでもありません。ただ、自分が25分だけでも文字を書き続けられるようにするための、ささやかなプログラムです。

人が集中できる時間は25分くらいだと言われます。本当にそうかは厳密にはわかりません。ただ、自分にはその長さがちょうどよかったのです。長すぎると気持ちが逃げます。短すぎると、深いところまで潜れません。

だから、せめてその25分だけでも、自分の中に入っていける場所を作ろうと思いました。うまい文章を書くためではありません。立派なものを仕上げるためでもありません。ただ、止まらずに書き続けられる場所がほしかったのです。

これは最初から、自分のための道具だった

このプログラムは、誰かに褒められるためのものではありませんでした。売るためでもなく、便利だと言われるためですらありません。完全に自分のためでした。

自分が散らからないため。朝の集中を逃さないため。頭に浮かんだものを、消える前に置いておくため。そのためだけに始めたものでした。

けれど、書き始めると別のことが見えてきます。文字を書く時間を守ろうとすると、その前後にある仕事の流れや、止まっているものの存在が気になり始めるからです。

見えることと、わかることは違った

彼の周りには、いくつものスレッドがありました。あの機能は今どうなっているのか。この案はどこまで進んでいるのか。昨日話したことは、結局どこへ着地したのか。そうした状況は、データとして見せられます。表にもできます。数字にもできます。

進んでいるもの、止まっているもの、返事を待っているもの。そういうものは、もう見え始めていました。でも、どこか物足りなさが残りました。

見えることと、わかることは違います。わかることと、次に進めることも違います。数字は並びます。グラフも出せます。それでも、朝の頭で本当に欲しいのは情報そのものではありませんでした。

「で、今日は何を考えるべきなんだろう」

欲しかったのは、その一言に答えてくれるものだったのです。

欲しかったのは、分析ツールではなく朝の相棒

Lookerで見ればいい。そう考えるのは自然です。実際、機能ごとの状況も、スレッドの流れも、見えるようにはできるはずです。だから最初は、それで十分かもしれないと思いました。

でも理想は、そこで終わりませんでした。Lookerを開いて、ダッシュボードを見て、数字を読んで、昨日との差分を見て、そこから考える。それでも間違いではありません。ただ、本当はもっと自然であってほしかったのです。

朝、少し眠いまま椅子に座る。25分、自分のために文字を書く。書きながら、考えが少しずつ輪郭を持つ。そして終わるころに、AIが静かにこう言うのです。

今日はこのスレッドが止まっています。昨日と比べてここに変化があります。先に見るべきはこの三つです。

そんなふうに、「見ること」と「考えること」の間を埋めてくれる存在がほしかったのだと思います。

迷う時間を減らしたかった

朝の集中は短いです。だからこそ、迷っている時間が惜しくなります。どの画面を開くか。どのグラフを見るか。どのスレッドから思い出すか。そうやって少しずつ削られる時間が、もったいなかったのです。

25分しかないなら、その25分を判断の手前で消耗したくありませんでした。書くことは、自分を整えることです。データを見ることは、現実を知ることです。そして本当に必要なのは、その二つが切れていないことでした。

自分の頭の中と、外の状況。感覚と数字。思いつきと構造。それらが朝のひとつの流れの中でつながったとき、その日はやっと前に進み始めます。

タイマーから、考えるための装置へ

だから、この道具をただのタイマーで終わらせたくありませんでした。25分書くための道具から始まり、いつしか「朝の自分が何を考えるべきかを整える装置」へ変わっていこうとしていたのです。

誰かのためではありません。まずは自分のためです。散らかった考えを置き直すため。途中で止まったものを、もう一度動かすため。数字の海に溺れず、今日の一手を選ぶためです。

もしかしたらGeminiならできるのかもしれません。GASを組んで、つないで、整形して、通知するやり方もあるはずです。ただ、理想はもう少し違いました。できれば余計な橋を何本もかけたくない。もっと自然に、もっと会話の続きのようにつながっていてほしいのです。

まだ完成形はわからない。でも出発点ははっきりしている

Lookerがどこまでできるのか。Geminiが何を肩代わりできるのか。本当にGASなしで理想まで行けるのか。その答えは、これから試していくことになります。

それでも、出発点だけははっきりしています。これは、自分のために作ったものだということです。

25分だけでも、ちゃんと書けるようにするために。朝の集中を、ただの勢いで終わらせないために。見えるだけのデータを、次の行動に変えるために。

まだ世界を変えるほどではないかもしれません。でも、自分の朝を変えるには十分かもしれません。そして多分、そういうものこそが、いちばん長く使えるのだと思います。

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attrip

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