目が覚めた。まだ五時。
息子は「ドラゴンの映画が観たい」と言って早起きをした。夏休みのあいだ遅く起きることが続いていたから、この時間が早いのか遅いのか、正直よくわからない。
妻はすでに台所に立ち、朝ごはんと昼ごはんの準備をしている。その音が、静かな朝に小さく響く。
僕は鼻から息を吸い、意識的に五回呼吸を整える。思い浮かぶことを雑念ととらえ、ただ流していく。そして体が固くなっている部分を探し出し、そこに意識を向ける。
緩めようとすると、かえって難しいこともある。そんなときはあえて硬直させたり、力を入れてみる。すると不思議と緩んでいく。
夏の早朝、家族の気配を背に、ただ呼吸を繰り返す。固さと緩みを往復しながら、自分の身体と心が少しずつ整っていくのを感じる。