「今私は幸せだ」
このたった6文字を、ふと口に出してみる。
すると、不思議なことに、少しだけ心が軽くなる。
もちろん、それが本当かどうかなんてわからない。
ただの言葉遊びかもしれないし、願望を言っているだけかもしれない。
でも、「幸せだと思えば幸せだ」というのも、真実だ。
逆に言えば、「不幸せだと思えば不幸せ」になるのもまた人間だ。
幸せの感じ方なんて、結局は人それぞれで、絶対的な基準なんて存在しない。
高さがあるから、低さが際立つ。
低いところから高いところへ行けば、人は「幸せだ」と感じるし、
高い場所から落ちれば、同じ日常も急にみすぼらしく見える。
辛い日々のあとに、小さな喜びが訪れたとき、
それだけで胸がじんわり温かくなる。
反対に、楽しい日々のあとに、突然の苦しみが来れば、
たとえ些細なことでも、大きく落ち込んでしまう。
つまり、幸せとは「高さの差分」で感じるものなのかもしれない。
だけど、ふと思った。
じゃあ、高さを変えずに幸せになる方法はないのか?
そこで浮かんできたのが、「横移動」という発想だった。
たとえば、自分がちょっと持っているものを、誰かにそっと渡す。
それだけで、自分の中にも幸せが生まれる。
ドーナツを1個、あげるね
特別なことじゃない。ただ、1個のドーナツを手渡すだけ。
相手が笑って「ありがとう」と言ってくれると、
その笑顔に、なぜかこちらの心もふわっと温かくなる。
たぶんそれは、「高さの変化」じゃなくて、「気持ちの横移動」。
幸せって、自分の中だけで完結させるものじゃない。
まわしていくものなんだ。
手渡しのドーナツみたいに、あたたかく、甘く、やさしく。
だから今日、もしあなたの手元にドーナツが1個あったら、
誰かにそっと渡してみてほしい。
するときっと、こう思うはずだ。
「今私は幸せだ」——と。