これキニナル。
内容紹介
ウェブ上の情報が爆発的に増え続けるなか、いまウェブは大きな変革期を迎えようとしている。
本書の著者は、グーグルでGoogle+の開発に携わったのちフェイスブックに移籍した気鋭の研究
開発者ポール・アダムス。多くの研究論文、フェイスブックでの膨大なデータや事例をもとに、
ウェブの構造変化、ユーザーのネット上での行動や意思決定の変化、情報伝達の変化を、多数の
図を用いながらするどく解説する。
■ウェブはコンテンツ中心型から人中心型へ変化していく
あふれる情報のなかで、企業の一方的な情報提供をそのまま受け入れることは減り、自分の親し
い人々、信頼できる人々のグループを介した情報に、人は興味を駆り立てられて、一次ソースに
あたるようになってきている。この傾向は今後ますます強くなっていく。ソーシャルウェブは
一時のブームではなく、オフラインでの行動にオンラインの世界が近づいている。
■インフルエンサーの時代からグループの時代へ
情報が拡散していくかどうかを決める最も重要な条件は、いわゆる「インフルエンサー」と呼ば
れる大きな影響力を持つ人物がいるかどうかよりも、影響を受けやすい人々が十分に存在し、彼
らが同じように影響を受けやすい人々とつながっているかどうかである。人のつながり、すなわ
ちソーシャルネットワークの構造を知ることが、いま何よりも重要となっている。
■脳の働きに配慮して情報発信することが重要になる
近年の神経科学・心理学の研究により、人間の脳に関してさまざまな新しい事実が明らかになっ
ている。例えば人間は自分の行動を意識し、合理的に行動する生き物だと考えられていたが、
情報が過剰に存在する場合、人間は無意識のうちに大量の情報を処理し、その結果を「意識脳」が
受け取っているに過ぎない。記憶の構造や先入観がもたらす影響など、脳の特性を理解し、それ
に配慮した情報発信のあり方を考える必要が高まっている。
■実行可能なアクションプランの提案
ウェブ上での人々の社会行動のしくみを解説するともに、本書では、マーケティング計画の立案、
広告戦略、新製品開発のためのアドバイスを随所に紹介している。人中心型に変わる時代、企業
はネット利用者の行動傾向、心理を読み解き、どう情報を発信し、顧客との関係を築いていくこ
とが重要かを考えられる一冊である。
内容(「BOOK」データベースより)
次のウェブはこう変わる。Google+、Facebookの開発者自身が明かすビッグデータからわかった真実。
ウェブはグループで進化する ソーシャルウェブ時代の情報伝達の鍵を握るのは「親しい仲間」
出版社 : 日経BP社
発行日 : 2012/7/26
著者は、マーケティング論の定説となっている「インフルエンサーによるバズ」は幻想にすぎないと切り捨てる。ソーシャルWEBは5〜10人の小規模グループが、いくつも重なることで形成されており、インフルエンサーの影響は思われているよりもずっと小さいと言う。