― テストとドキュメントで“寝てる間に進む開発”をつくる ―
AI時代のプログラミングは、「AIにコードを書かせる」では終わらない。
今のトップエンジニアたちは、AIに“制約”を与えて自動で完了まで持っていかせるという新しい開発法に移行している。
彼らがやっていることは驚くほどシンプルだ。
コードの正しさを保証するテストと、AIが参照する設計ドキュメントを整えておく。
あとはAIが、自動で生成→検証→修正のループを回してくれる。
この記事では、OpenAI Dev Dayで話題になった「Codexチームの実際の開発ワークフロー」をもとに、
個人でも再現できるAI駆動開発の手順をわかりやすく紹介する。
GitHubアカウントさえあれば、あなたも今日から“AIを部下に持つ開発者”になれる。
これは非常に価値がある内容なので、「個人開発者でもできるAI時代の開発手法」として、
OpenAI Dev Dayで語られた“AI駆動開発の型”を再現できる。
🧠 AI時代の開発の型が見えた:
「テスト」と「ドキュメント」でAIを自動開発者に変える方法
1. はじめに:AI時代の開発は“お願いする”から“制約を与える”へ
OpenAIのDev Dayで披露されたCodexエンジニアのワークフローは、
「AIにコードを書かせる」ではなく、「AIにテストとドキュメントという制約を与えて完成まで走らせる」ことだった。
これが今、エンジニアの働き方を根本から変えている。
人間は「方針と検証の仕組み」を設計し、AIが「動作確認まで含めて自動で進める」。
その結果、個人開発でも**“夜のうちにAIが仕事してる”**状態を作れる。
2. コンセプト:AI開発を成り立たせる3つの柱
| 柱 | 役割 | 使うファイル例 |
|---|---|---|
| テスト駆動開発(TDD) | AIがコードの正しさを自動確認できる仕組み | tests/ ディレクトリ, pytest, unittest, snapshot_test.py |
| 生きた設計ドキュメント | 何をどう作るかをAIが理解できる形式で共有 | plans.md |
| エージェント指令ファイル | AIへの行動指針とワークフロー定義 | agents.md |
これら3つの仕組みがあると、AIは人間に聞かずとも開発・検証・修正のループを自動で回せる。
3. 実装手順:個人でもできるAI開発環境の作り方
Step 1. プロジェクトを作る
mkdir my-ai-project
cd my-ai-project
git init
Step 2. plans.md を書く(AIの「設計図」)
AIが読んで理解できるように、タスク内容と目的をMarkdownで書く。
# plans.md
## Goal
作るもの:Todoアプリ
目的:ローカルで動作する簡単なタスク管理アプリ
## Features
- タスク追加・削除・完了チェック
- データ保存はJSON
## To-Do
- [ ] main.py作成
- [ ] taskモデル作成
- [ ] UI作成
- [ ] テスト作成
## Decision Log
- データベースではなくJSONを採用(シンプルで学習コスト低)
- CLI形式でまず実装、後でGUI対応
Step 3. agents.md を書く(AIの「行動マニュアル」)
CodexやGPT-5にこれを読ませると、どのスクリプトをどう動かすか理解する。
# agents.md
## Execution Plan
- コードを書いたら必ず `pytest` を実行する
- テストが失敗したら自分で修正して再実行
- UIを変更したときは `snapshot_test.py` で比較画像を生成し、違いがあれば修正
- 複雑な変更をする場合は `plans.md` を参照して整合性を保つ
Step 4. テストを書く(AIの「評価基準」)
AIが自動で確認できるように、単体テストを用意。
# tests/test_task.py
from task import Task
def test_add_task():
t = Task()
t.add("買い物")
assert "買い物" in t.list()
Step 5. AIに「実行指令」を出す
ChatGPTやCodex CLIで以下のように指示する:
Read agents.md and plans.md.
Implement the missing code until all tests pass.
AIは設計書に従ってコードを生成→テスト実行→修正→再実行のループを繰り返す。
つまり、「寝てる間に開発が進む」状態が作れる。
4. 実際の運用方法(レビュー&改善ループ)
/review コマンド(レビュー自動化)
開発途中でレビューしたいときは、ChatGPTやCLIに以下を送る:
/review
AIは全ファイルを読み込み、
- コード構造の不整合
- 重複や非効率なロジック
- バグやテスト不備
を指摘してくる。
修正したら:
pls fix
と返すだけ。AIが修正案を自動適用して再テストする。
この「実装スレッドとレビュー・スレッドの分離」により、冷静な改善が可能になる。
5. まとめ:AIを部下にする最初の一歩
| やること | 目的 | 効果 |
|---|---|---|
plans.md を書く | AIに設計意図を伝える | 無駄な生成を防ぐ |
agents.md を置く | 行動ルールを定義する | 反復作業を自動化 |
| テストを作る | 正しさを機械的に確認 | 品質を担保 |
/review ループ | 改善を自動化 | 実装速度を2〜3倍に |
AIは「命令を聞く存在」から「制約の中で成果を出すパートナー」へ進化している。
個人でも、テストとドキュメントさえ整えておけば、
“ひとり開発チーム”をAIと組んで作ることができる。









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