息子がアニメを見始めた。
Amazonで見放題に入っている作品は基本的に見ていい、というルールにしていると、自然と新作だけでなく昔のアニメにも手が伸びる。その流れで選ばれたのが、みつめがとおるだった。
『みつめがとおる』は、手塚治虫の同名漫画を原作としたSFアニメだ。主人公の写楽保介は、額に貼った絆創膏を外すことで第三の目が開き、性格も能力も一変する。普段は気弱な少年なのに、その瞬間から一気に「強すぎる存在」になる。この極端な切り替わりが、初見でも分かりやすいフックになっている。
今のアニメと比べると、作画やテンポはかなり違う。
それでも、写楽くんが変わる瞬間の空気の変化はちゃんと伝わる。理由を説明されなくても、「何か始まった」「さっきと別人だ」という感覚が残る。この直感的な強さが、時代を越えて効いている。
この作品は、テーマを理解してから楽しむ必要はない。
まずは「写楽くんつよすぎ」という感想で十分だ。そこから先に進みたくなるかどうかは、見る側のペースでいい。だからこそ、子どもが今見始めても自然に成立する。
Amazonで今も見られる、という点も大きい。
特別な準備はいらないし、合わなければ途中で止めてもいい。その軽さがあるから、こうした少し古い名作にも気負わず触れられる。
懐かしさで語る必要はない。
「たまたま見始めたら、思ったより面白そうだった」。その入口で十分だ。『みつめがとおる』は、そうやって見られることで、いまもちゃんと力を発揮する。



単行本と初出版との差もみれる。