盆栽に錆びた釘をさすといいと言われる理由。効くもの、やめたほうがいいもの

盆栽に錆びた釘をさすといいと言われる理由。効くもの、やめたほうがいいもの

盆栽に錆びた釘をさす話は、「鉄分を補うため」と言われています。
ただし、実際には錆びた釘をさしても、盆栽がすぐ鉄分を吸えるわけではありません。

鉄は植物に必要です。葉の色や光合成に関わります。
でも、植物が吸える鉄は、土のpHや鉄の形に左右されます。
錆びた釘は効くとしてもゆっくりです。おまじないに近い面もあります。

この記事では、錆びた釘の話がなぜ生まれたのか。
そして、家庭にあるもので盆栽に使えるもの、避けたほうがいいものを整理します。

錆びた釘は「鉄分を補う」という発想から生まれた

錆びた釘を盆栽にさす理由は、鉄を足したいからです。

植物に鉄が足りないと、葉が黄色っぽくなることがあります。
特に若い葉で、葉脈だけ緑に残るような黄化が出ることがあります。
これは鉄欠乏のサインとして知られています。

だから昔から、身近な鉄である釘を土に入れるとよい、と考えられたのだと思います。

ただ、ここで大事なのは「鉄があること」と「植物が吸えること」は別だという点です。

錆びた鉄は、盆栽がすぐ吸える鉄ではない

錆びた釘の鉄は、水に溶けやすい形ではありません。
土の中に鉄があっても、pHが高いと植物は鉄を吸いにくくなります。

Penn State Extension は、植物は合わないpHの土に植えると、栄養不足や過剰のリスクが上がると説明しています。
University of Minnesota Extension も、土には鉄が多く含まれていても、植物が使える形でなければ鉄欠乏が起きると説明しています。

つまり、錆びた釘をさしても、鉄欠乏の確実な対策にはなりません。
葉が黄色いなら、先に見るべきなのは次の3つです。

  • 水のやりすぎ
  • 根詰まり
  • 肥料不足またはpHのずれ

盆栽は鉢が小さいです。
土の量も少ないです。
家庭のものを足すほど、土の状態が急に変わりやすくなります。

錆びた釘を使うなら「少しだけ、期待しすぎない」

錆びた釘を絶対に入れてはいけない、という話ではありません。
ただし、効果を強く期待するものではありません。

使うなら、清潔な古釘を1本だけ。
根を傷つけない場所に浅く置く程度で十分です。
塗装された釘、メッキされた金属、正体のわからない金属片は避けたほうがいいです。

鉄欠乏が疑わしいときは、盆栽用の肥料や微量要素入りの肥料を使うほうが確実です。
Bonsai Empire も、盆栽は小さな鉢に限られるため、生育期の施肥が大切だと説明しています。

コーヒーかすは直接入れず、堆肥に混ぜる

家庭にあるものでよく出るのが、コーヒーかすです。

コーヒーかすは、庭や堆肥では使い道があります。
ただし、盆栽の鉢にそのままのせるのはおすすめしません。

理由は3つあります。

  • 乾くと水をはじくことがある
  • カビが出やすい
  • 小さな鉢では量の調整が難しい

Oregon State University Extension は、コーヒーかすは使いすぎに注意が必要で、堆肥に混ぜる方法を紹介しています。
盆栽で使うなら、直接ではなく、よく分解された堆肥として少量使うほうが安全です。

卵の殻は粉にしても効き方はゆっくり

卵の殻はカルシウム源として知られています。
ただし、砕いただけではすぐ効きません。

大きなかけらのまま鉢に入れても、盆栽がすぐカルシウムを吸えるわけではありません。
使うなら、よく洗って乾かし、できるだけ細かくします。
それでも効き方はゆっくりです。

注意点もあります。
卵の殻は土をややアルカリ側に寄せる可能性があります。
サツキやツツジのように酸性寄りを好む盆栽では、入れすぎないほうがいいです。

お茶がらは乾かして少量、または堆肥へ

お茶がらも、いきなり鉢に大量に入れないほうがいいです。
湿ったままだとカビや虫の原因になります。

使うなら、よく乾かして少量。
一番よいのは、コーヒーかすと同じく堆肥に回すことです。

盆栽の鉢は小さいです。
「自然素材だから安全」と考えるより、「小さな鉢では効きすぎるかもしれない」と考えるほうが失敗しにくいです。

米のとぎ汁は薄く、たまに使う程度

米のとぎ汁を植物にあげる話もあります。
ただし、盆栽では毎回使う必要はありません。

濃いとぎ汁は、鉢の中でにおいやぬめりの原因になることがあります。
使うなら、薄いものをたまに。
屋内の盆栽では避けたほうが無難です。

肥料の代わりとして期待しすぎないほうがいいです。
基本は水、日当たり、風通し、季節に合った肥料です。

炭は土を整える目的なら使えることがある

家庭にある炭も、使い方によっては土の通気やにおい対策に役立つことがあります。
ただし、バーベキュー用の着火剤入り炭は使わないでください。

使うなら、無添加の木炭を小さく砕き、少量だけです。
入れすぎると水や肥料の動きが変わります。

盆栽用土は、赤玉土、鹿沼土、軽石などの組み合わせで考えるのが基本です。
家庭のものは、主役ではなく補助です。

入れないほうがいい家庭のもの

盆栽に入れないほうがいいものもあります。

  • 塩分のあるゆで汁
  • 砂糖水
  • 牛乳
  • 肉や魚の残り
  • 味噌汁、スープ、調味料入りの水
  • 洗剤や薬品がついたもの

これらは、根を傷めたり、虫やカビの原因になったりします。
鉢が小さい盆栽では、少量でも影響が出やすいです。

家庭のものより大事なのは「鉢が小さい」ことを忘れないこと

盆栽は小さな鉢で木を育てます。
だから、庭木よりも水切れしやすく、肥料も流れやすいです。
一方で、余計なものを入れたときの影響も大きくなります。

家庭にあるものを使うなら、次の順番が安全です。

  1. まず普通の管理を整える
  2. 使うなら少量にする
  3. 直接入れず、堆肥化できるものは堆肥にする
  4. 葉色や土の乾き方を見て、合わなければやめる

錆びた釘の話は、昔の知恵として面白いです。
でも、盆栽を元気にする主役ではありません。

盆栽に一番効くのは、毎日の観察です。
土が乾いたか。
葉の色は変わっていないか。
風は通っているか。

錆びた釘をさす前に、まずそこを見る。
それがいちばん失敗しにくい盆栽の育て方です。

参照元

attrip

attrip

考えたことを、記事・AI・音楽に変えて発信しています。

盆栽、音楽、ブログ運営、日々の試行錯誤について書いています。

2010年から発信中

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