25分でアプリを作り切る、という話をすると、多くの場合は「時間配分」や「手順」の話になりがちだ。だが実際に考え続けてみて、最も重要だと気づいたのは別の点だった。
何を作るかを集中して書く5分間に、どれだけの言葉を外に出せるか。ここがすべてを決める。
この5分は、仕様を整える時間ではない。
設計を考える時間でもない。
判断を止めて、「作りたい」という断片を一気に吐き出すための時間だ。
ここで出力が弱いと、その後の20分は必ず迷う。
逆に、この5分で言葉が出切っていれば、残りの時間はほぼ自動で流れていく。
この5分間でやっているのは「最大出力」
この時間に書くべきなのは、きれいな一文仕様ではない。
むしろ、雑で矛盾していて、未完成な言葉の集合体だ。
こういう入力を想定している。
ここは雑でいい。
これは今日の自分だけが使えればいい。
これは絶対にやらない。
そういった判断前の言葉を、止めずに外へ出す。
ここで重要なのは整理しないことだ。整理は判断を生む。判断は時間を食う。
だからこの5分間は、出力のピークを作る時間と割り切る。
mdファイルは「考えるため」ではなく「流すため」にある
この流れの中で、spec.md や agent.md、map.md、log.md といったファイルの役割もはっきりした。
これらは思考を整理するための器ではない。
出てきた言葉を、決まった場所に流すための配置だ。
どの言葉をどの md に入れるかを、その場で考えない。
それは呪文として身体に覚えさせておけばいい。
考える対象にした瞬間、この儀式は壊れる。
まず出す。
あとで置く。
置き方は毎回同じ。
この順番を守ることで、5分間の出力は止まらなくなる。
spec.md は「境界線」を引くために使う
普段なら task.md を使うところだが、今回は spec.md を選んだ。
理由は単純で、この開発は継続しないからだ。
task という言葉は、「次がある」「管理する」という前提を呼び込む。
25分で終わらせ、触らない前提の開発には、その気配がノイズになる。
spec.md は、その回の25分に線を引くための紙だ。
何をやるか、何をやらないか。
それを一時的に固定するために置いている。
最初の5分でやっていることの正体
結局、この5分間でやっているのは仕様決定ではない。
思考の材料出しだ。
ここで材料が出切っていれば、
Codexに渡す言葉も、制約も、期待値の低さも自然に揃う。
だから重要なのは、「何を書くか」を細かく決めることではない。
何も考えずに言葉を出せる状態を作れているか、それだけだ。
25分開発の成否は、実は最初の5分でほぼ決まっている。
この5分を、判断しない最大出力の時間として使えるかどうか。
そこに、この儀式のすべてが詰まっている。
この文章は、やり方を教えるためのものではない。
未来の自分が迷い始めたときに、「ああ、ここだったな」と思い出すための記録だ。
次に書くとしたら、
この5分をどうやって確実に“判断なし”で回すか。
だがそれは、また一段先の話になる。
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