
よく見ればなづな花咲く垣根かな
ライター:attrip
よく見ればなづな花咲く垣根かな
松尾芭蕉
季語:なづな
季節:春

よく見れば薺花咲く垣根かな
春の七草であるナズナ(ペンペン草)の花はめだたぬちっぽけな花である。だからよく見ないと目にはとまらない。垣根の陽だまりに可憐に咲いている。詩人の目は これをしっかり見ている。進境著しいこの時期を代表する佳作だが、「よく」見なければならないところに未熟さを残した作品でもある。中国の詩人程明道の「万物静観すれば皆自得す」がヒントになっている。
よく見れば薺花咲く垣根かな
https://www2.yamanashi-ken.ac.jp/~itoyo/basho/haikusyu/nazna.htm
万物静観すれば皆自得す
尾藤二洲(びとうじしゅう 1745-1813)は江戸後期の儒学者で、名は孝肇。伊予の廻船業者の子に生まれ、早くから頭脳明晰(めいせき)、幼時の怪我がもとで足が不自由なこともあり、大坂に出て学問を修めた。寛政3(1791)年に昌平坂学問所の教授となり、異学の禁後の幕府の朱子学教育を担い、寛政の三博士の一人に数えられる。
この書は、明道先生と呼ばれた中国北宋の著名な儒学者、程顥(ていこう 1032-85)の七言律詩『秋日偶成』の頷聨(がんれん)で、「万物静観皆自得 四時佳興与人同(万物静観すれば皆自得す 四時の佳興(かきょう)人と同じ)」とある。世の中の全てのものを静かに眺めると皆自らの所を得ているようであり、四季の良い趣きも人と同じで味わい深い、という意味である。程顥は、春風駘蕩(たいとう)、温和な人柄で、自然の秩序「理」を直観的に把握することを説いた。弟の程頤(ていい 1033-1107 伊川先生)と共に二程と称され、朱子学の別名「程朱の学」は、この兄弟にちなむものである。
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