音楽制作でwavファイルを作るために、新しい楽器を考えている。
すでにピアノアプリは作ったので、次は「別の発想の楽器」を作りたい。鍵盤を増やすのではなく、音の生まれ方そのものを変えたい。
いくつかアイディアが出てきたので、まずはメモとして残しておく。
ひとつ目は、動作をログとして残し、それを音に変換する方法だ。
マウスの動き、キー入力のタイミング、操作の間。そうした行為そのものを記録して、あとから音にする。演奏している意識はなく、ただ操作しているだけなのに、結果としてフレーズのような音が残る。このズレがいちばん面白い。
ふたつ目は、文字データを音声データに変換する方法だ。
書いた文字の量、打つ速さ、間の取り方を音に反映する。文章の意味ではなく、「書き方」そのものが音になるイメージに近い。
今のところ、特に惹かれているのは一つ目だ。
1分間くらいの操作を、そのまま音にする。何もやらない時間も含めて、すべてが音になる。忙しく触った1分と、放置した1分では、まったく違うwavができる。
時間は1分でも5分でもいい。
文字を書いた瞬間、止まった間、迷った時間。その感覚が音として残るなら、それは「演奏」ではなく「過ごし方の記録」になる。そこに、今までの楽器にはない楽しさがあると思っている。
次にやるべきことは明確で、
操作ログをどう集めるかと、それをどう音に変えるかを決めるだけだ。
ここまで来ていれば、新しい楽器の輪郭はもう見えている。
操作ログをどう集めるかと、それをどう音に変えるかをアプリ化するために
まず前提として、この楽器は「演奏する装置」ではない。
文字を書いている“その最中”が、すでに録音されている状態にしたい。本人は歌詞を考えているつもりなのに、裏側では時間と行為が全部ログとして溜まっている。ここが一番のキモになる。
だから仕様書の最初に書くべき思想はこうだ。
- ユーザーは音楽を作ろうとしなくていい
- 書く・考える・止まる、という行為そのものが素材になる
- 入力していない時間も含めて、すべてがレコーディング対象になる
この前提が立つと、「他に何が素材になりうるか」が見えてくる。
まず、文字そのものではなく“書き方”。
何文字書いたかよりも、
どれくらいの間隔でキーを打ったか
どこで長く止まったか
一気に打った場所と、迷った場所の差
ここが全部リズム情報になる。
次に、削除や修正。
バックスペースを押した回数、押したタイミング。
これはかなり強い感情ログになる。迷い、やり直し、ためらい。
音にすると、ノイズやブレイク、ピッチの揺れとして使える。
もう一つは、カーソルの移動。
マウスで文章を選択する、行を移動する、戻る。
これは「思考の行き来」なので、音の上下や左右の動きに変換できる。
実際の歌詞の意味は関係ないが、考えている動きは残る。
そして一番大事なのが、あなたが言っている**「間」**だ。
間は、イベントがないことではない。
何も起きていない時間そのものが、最大のイベントになる。
仕様としてはこう考えるといい。
- キー入力があった → 時刻を記録
- 次の入力まで何秒空いたか → そのまま音の長さ
- 一定以上止まった → ドローンや無音、もしくは長いサスティン
つまり「間の測り方」は特別な処理ではなく、
次のイベントまでの差分時間を取るだけで成立する。
ここで重要なのは、
「入力していない時間も録っている」という感覚を、
ユーザーに意識させないことだ。
画面はただのテキストエディタでいい。
「歌詞を書いてください」としか書いていない。
でも内部では、
タイピングのリズム
止まった時間
迷った操作
すべてが1分なり5分なりで区切られて保存される。
最後に音に変えるとき、
そのwavはこういう意味を持つ。
- 書いた歌詞の音楽化ではない
- 歌詞を考えていた時間の可聴ログ
- 思考と迷いと間の記録
仕様書としてまとめるなら、骨子はこれで十分だ。
- モード:テキスト入力モード
- 記録対象:キー入力時刻/削除操作/カーソル移動/無操作時間
- 記録時間:1分 or 任意時間
- 出力:その時間の行為を元に生成されたwav
ここまで整理できていれば、
この楽器はもう「文字入力アプリ」ではない。
考えていた時間が、勝手に音になってしまう装置になっている。
次に詰めるとしたら、
「リアルタイムでは一切音を出さないか」
「最後に一度だけ再生するか」
この一点だけだ。
そこを決めれば、仕様は一気に実装に落ちる。
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