
【Amazon】本当のブランド理念について語ろう 「志の高さ」を成長に変えた世界のトップ企業50: ジム・ステンゲル, 川名周, 池村千秋: 本
ライター:attrip
今この本読んでる。
面白いなー。
ちなみに紹介されている会社は、50社の中で1社しか日本の企業は、ない。
本当のブランド理念について語ろう 「志の高さ」を成長に変えた世界のトップ企業50
Amazonで詳しくみる。
内容紹介
発売日: 2013/1/9
21世紀に成功を収めるカギを握るのは、目先の商売に左右されない高次の〈ビジネス理念〉だ。
「顧客はボス」の視点からP&Gの多数のブランドを成功させた元カリスママーケターが、
ビジネスで成果を出すための〈理念のあり方〉を説く。
「世界のトップブランド50」も掲載。日本企業で唯一ランクインしているのは?
[解説] 川名 周 Amane Kawana
株式会社博報堂エンゲージメントプロデュース局長。
1985年博報堂入社。以来20年間、マーケティングセクションにて、様々な業種の広告主に向けた新商品開発、広告戦略立案、ブランド戦略構築等に関わる。
2006年i-事業推進室を経て、2010年より現職。デジタル基点の統合マーケティングを担当。
駿河台大学メディア情報学部客員教授、日本マーケティング学会員。
共著に『「自分ごと」だと人は動く』(ダイヤモンド社)がある。
アットトリップです。
最近の趣味は、盆栽です。
著書:Facebookコミニティ成功の法則
スポンサーリンク
スポンサーリンク
「amazon」についてのブログ
について時系列でもっと読む
ブランド論はたいていの場合、「ブランド」の定義や価値が生じるメカニズムについて著者が独自の説を展開するものか、さまざまな成功したブランドの事例を切り取ってきては面白おかしくそのブランドの顧客や経営者にまつわるエピソードを述べるものか、どちらかに陥りがちだ。前者はアカデミックなバックグラウンドの、また後者はコンサルなどの実務経験のバッググラウンドのある著者によく見られる。そして、どちらも何か分かった気になるものの、企業の中で実際にブランドマネジメントをしなければならない者にとっては、実はほとんど役に立たない。なぜなら、実際のブランドマネジメントとは、社内の組織に巣食う縦割り構造に穴を空け、価値観も利害も異なる多くの関係者を何とか1つの目的に向けて歩ませるという、壮絶な努力を伴うものだから。確かにブランドは不思議な存在だ、企業のものであるにもかかわらずその実体は顧客の頭の中にしかない。その価値認識のメカニズムも優れたブランドを彩る伝説の数々も、それはそれで奥深く面白い。しかし、その奥深さにかまけて、実際に企業組織がどのように優れたブランドを立ち上げれば良いか、あるいは既にあるブランドをどう立て直せば良いかといったことまでには、説明が至らずに終わってしまうことが常だ。
そんなブランド論の常識に、本書は真っ向から挑戦する。ブランドを社員の価値観や顧客に向けたストーリーなどを統合した「理念」と、その実現のための5つのステップからなる「プロセス」とに分解し、理念の見つけ方、プロセスの動かし方について、著者自身の経験を元に徹底的に具体的に語っている。つまり、研究者でもコンサルタントでもなく、徹頭徹尾「ブランドマネージャー」の立場に立って書かれたものとなっている。著者の提唱する「ブランド理念の木」という概念図は、この『優れたブランド戦略、すなわち優れたビジネスには「偉大な理念」という幹があり、それをブランド価値の発見と定義、企業文化の構築、理念の発信と共有、理想に近い顧客体験の提供、事業と社員の活動の評価という5つの枝が伸ばし育て、確たるものにしていく』という著者のブランドマネジメントの考え方を示したものだ。まさに、これまでの外形的な、あるいは興味本位のあまたのブランド論の射程が捉えきれなかった、実践的ブランド(事業)戦略と言える。
特に日本では、優れたブランドは絶大な権限を持つオーナー経営者、またはカリスマ的なセンスを持つ天才マネージャーからしか生まれてこないという傾向が強く、ブランド論はヒーロー物語的な興味の対象ではあっても自分ごとと捉えられる人が少なかった。しかし、本書の示すセオリーは、カリスママネージャーや絶対権限を持つ経営者がいなくとも組織的に優れたブランドをつくり出し得るし、またそうでなければブランドの強さというのは長持ちしないのだ、ということをはっきりと教えてくれる。日本企業はそろそろ、企業における「CMO(最高マーケティング責任者)」の地位を、属人的な天才の役割ではなく、組織マネジメント機能に置き換えて考えるべきだと思う。博報堂の川名氏による解説の締めくくりの「ステンゲル氏の提唱をきっかけに、日本ではまだ少ないCMOの機能が根付き、発展することを願いたい」という言葉には、その意味で強く共感するものである。