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乃木憂助みたいな思考力がほしいので、30日間トレーニングしてみる

公開日 · 更新日 · 12 MIN READ · 理解の記録

RECORD / 2026

AIのポン出しを作品に変えるには、AIへの指示より先に、人間が「何を知らないか」を見つける必要がある。そう感じたので、乃木憂助のような思考の型を30日間練習してみます。

まだ成功した話ではありません。これから始める個人的な実験の記録です。

※『VIVANT』の設定に少し触れます。ストーリーの細部を解説する記事ではありません。

AIのポン出しで、どこまで作品を作れるのか

最近、Astraのような強いAIを使って、ゲームや記事を作っています。

AIにお願いすると、すぐにコードが出てきます。文章も書ける。画像も作れる。アイデアもたくさん出してくれる。

最初に考えたのは、単純な疑問でした。

「AIのポン出しで、どこまで作品を作れるのか」

ポン出しというのは、AIに大まかな要望を伝えて、まず形にしてもらうことです。

完璧な設計を最初に作るのではなく、AIに作ってもらう。触ってみる。違和感を探す。そして、また修正を頼む。

この方法は、とても速いです。

たとえば水元公園の鬼ごっこを作っていたとき、AIは水面や橋、並木、敵、自転車などをすぐに追加してくれました。

ただ、遊んでみると違和感がありました。

  • 水元公園だと、最初の数秒で分からない
  • 最初の1分があまり面白くない
  • 敵から簡単に逃げられてしまう
  • 自転車に乗る意味が弱い

機能は増えています。

でも、体験が濃くなったとは限りません。

歩みを止めて、作品の橋と道の関係にある一つの違和感を指し示す人物

ここで分かったのは、AIのポン出しは完成品ではないということです。

「こういう方向ではどうですか」という仮説を出しているだけです。

作品に変えるのは、検証ループだった

AIを使う前は、作ることに時間がかかっていました。

AIを使うと、作ること自体は速くなります。すると、次に大切になるのは「何を作るか」よりも「何を確かめるか」になります。

必要なのは、次の流れです。

> 依頼する
> ↓
> AIが作る
> ↓
> 実際に触る
> ↓
> 違和感を見つける
> ↓
> 言葉にする
> ↓
> 小さく修正する
> ↓
> もう一度検証する

「もっと怖くして」と頼むよりも、「敵の速度だけでは簡単に逃げられる。曲がり角で進路を選ばせたい」と伝える方が、次の検証につながります。

「水元公園らしくして」ではなく、「水面と広場と並木が同じ画面に見えていない。道の形から逃げる方向も判断できない」と分けて伝える。

この「なんか違う」を分解する作業は、AIには任せきれません。

AIが強くなるほど、人間の判断が必要になる

AIが文章を書き、コードを書き、画像を作れるようになるほど、人間の仕事は判断に近づいていきます。

私が今鍛えたいと思っているのは、次の8つです。

  1. 違和感を見つける観察力
  2. 事実と推測を分ける力
  3. 複数の仮説を持つ力
  4. 不足情報を見つける力
  5. 少ない手数で検証する力
  6. 感情に流されず判断する力
  7. 優先順位を決める力
  8. 決めたことを実行する力

これは、すぐ答えを出す力とは少し違います。

今回鍛えたいのは、状況を観察し、何が分からないかを見つけ、複数の仮説を持ち、最小の手数で確認してから判断する力です。

基本の流れはこうです。

> 問題
> ↓
> 状況観察
> ↓
> 事実と推測を分ける
> ↓
> 不足情報を探す
> ↓
> 複数の仮説を出す
> ↓
> 最小コストで検証する
> ↓
> 判断する
> ↓
> 実行する

乃木憂助みたいな思考力がほしい

ここで、ようやく乃木憂助の話になります。

私は「乃木憂助のように頭がいい人になりたい」と思ったわけではありません。

公式IQが何点なのかを調べたいわけでもありません。そもそも、この記事ではIQの数値を目標にしません。

『VIVANT』のTBS公式ガイドでは、乃木憂助は平凡な会社員として登場し、物語が進むにつれて別の顔が見えてくる人物として紹介されています。

私が惹かれているのは、見えている状況だけで判断せず、裏にある可能性を考え、必要な情報を集め、行動を選ぶ姿です。

分からないことが多い状況でも、慌てて一つの答えに飛びつかない。

何が分かっているのか。何が推測なのか。何がまだ分からないのか。

そこを分けたうえで、次に必要な一手を選ぶ。

私が欲しいのは、そういう思考の型です。

乃木憂助のような思考を、現実の能力に分解する

架空の人物をそのまま再現することはできません。

そこで、仕事や生活に移せる部分だけを分解します。

まず観察する

いきなり結論を出さず、画面、数字、相手の言葉、場所の状態を見ます。

事実と推測を分ける

「敵が強い」は推測かもしれません。

実際に確認できたのは、「徒歩では20秒で追いつかれた」という事実だけかもしれない。

情報の穴を見つける

判断できない原因は、能力不足ではなく情報不足かもしれません。

公式マップを見ていない。スマートフォンで試していない。初めて使う人の感想を聞いていない。

仮説を一つに決めつけない

原因は一つとは限りません。

  • 敵の速度が遅い
  • 逃げ道が広すぎる
  • 隠れる場所が多すぎる
  • プレイヤーの目的が曖昧
  • 追跡が始まるのが遅い

このように複数の仮説を持ちます。

一番安い検証を選ぶ

全部を作り直しません。

敵の速度だけ変える。最初の30秒だけ調整する。3人に触ってもらう。

最小の変更で、仮説が正しいかを確かめます。

最後は実行する

考え続けるだけでは前に進みません。

仮説を一つ選び、試す。結果を記録する。違ったら戻す。

毎日使う「乃木チェック」

迷ったら、この6問を使います。

  1. 何が事実か
  2. 何が推測か
  3. 何がまだ分からないか
  4. 仮説は他にないか
  5. 一番安く確認する方法は何か
  6. 今、一番重要な一手は何か

特に大事なのは、答えを出す前に「不足情報」を探すことです。

普通は、問題からすぐ答えへ行こうとします。

しかし、今回やりたいのは、その間に観察と検証を入れることです。

乃木憂助型・30日トレーニング

1日を長く使いすぎないようにします。記録は短くて構いません。

Day 1〜7:観察する

Dayテーマトレーニング
1観察今日見た場所や出来事について「事実だけ」を10個書く。感想や推測は禁止。
2事実と推測最近起きた出来事を「事実」と「自分の推測」に分けて書く。
3違和感今日「あれ?」と思ったことを3つ記録する。
4記憶画面や場所を30秒見て、その後に見えた情報を書き出す。
5人の行動誰かの行動を見て、考えられる理由を最低3つ出す。
6不足情報最近困っている問題について、「まだ知らないこと」を10個出す。
7週次レビュー1週間を「事実5つ・発見3つ・次に確認すること1つ」に圧縮する。

Day 8〜14:仮説を持つ

Dayテーマトレーニング
83仮説仕事や生活上の問題について、原因仮説を最低3つ作る。
9反証一番信じている仮説が間違っているとしたら、どんな証拠があるか考える。
10検証3つの仮説の中から、最も安く・早く確認できる方法を考える。
11相手視点相手の目的・制約・恐れていることを推測する。
12因果一つの問題に対して「なぜ?」を5回繰り返す。
13別解自分が考えている案とは逆方向の解決策を1つ作る。
14週次レビュー今週の判断ミスを1つ選び、「どの時点で判断を誤ったのか」を分析する。

Day 15〜21:情報を圧縮し、優先順位を決める

Dayテーマトレーニング
15情報圧縮長い記事、会議、会話を100文字にまとめる。
16さらに圧縮Day 15の100文字を30文字まで縮める。
17優先順位やることを10個出し、その中から今日やる3個だけを選ぶ。
18捨てる今日は「やらないこと」を3つ決める。
19判断基準決める前に「目的・効果・コスト・リスク」の4項目を見る。
20制限時間迷っていることを10分以内で決める。
21週次レビュー今週一番良かった判断を1つ選び、なぜ良かったかを書く。

Day 22〜28:冷静に実行する

Dayテーマトレーニング
22緊急対応仕事や生活のトラブルを想定し、「最初の3手」だけを考える。
23冷静さ感情的になったとき、反応する前に「事実は何?」と一度考える。
24リスク今進めている仕事について、失敗パターンを3つ出す。
25先読み今の判断のあとに何が起きるかを、3段階先まで考える。
26情報源得た情報について、「誰が言ったか・根拠は何か・一次情報か」を確認する。
27意思決定選択肢を3案作り、その中から最も期待値が高いものを選ぶ。
28実戦実際の問題を「観察→仮説→検証→判断→実行」の順番で処理する。

Day 29〜30:自分の型をつくる

Dayテーマトレーニング
29総合演習最近の難しい問題を1つ選び、A4一枚に分析する。
30自分の型自分専用の「判断チェックリスト」を作る。

Astraの利用量が減りすぎたときに試す

このトレーニングは、仕事やAI活用にも使えます。

たとえば、「Astraの利用量が減りすぎる」という問題が起きたとします。

ここで、すぐに「Lunaを使えばいい」と答えを出さない。

まず、問題を分解します。

  • 何にAstraを使っているのか
  • どの工程で利用量を消費しているのか
  • 細かい修正を何度も繰り返しているのか
  • 一つの会話が長くなっているのか
  • 調査と実装を同じ会話で行っているのか
  • Lunaを挟むことで、本当に作業時間が短くなるのか

次に、複数の仮説を持ちます。

  • 長い会話が原因かもしれない
  • 細かい修正の回数が多すぎるのかもしれない
  • AIに渡す前の整理が足りないのかもしれない

そして、最も安く確認できる方法を選びます。

複数の仮説を残したまま、一つだけ検証へ動かす人物

直近の作業を3件だけ振り返り、会話の長さ、修正回数、作業時間を比べてみる。

その結果を見てから、Astraの使い方を変えるのか、Lunaを補助にするのかを決める。

これなら、思いつきでモデルを変えるのではなく、状況を見てから判断できます。

AIへの依頼も、次の型に変えられます。

目的:
現状:

確認できている事実:
1.
2.
3.

現時点の推測:
1.
2.

不足している情報:

今回の仮説:

今回変更するものは1つだけ:

検証方法:

合格条件:

「全部いい感じにして」と頼むのではなく、「この仮説を検証するために、最小限の変更をしてください」と頼む。

それだけでも、AIとの関係は少し変わるはずです。

30日後に検証したいこと

30日後に、自分のIQが上がったかどうかを測るつもりはありません。

見てみたいのは、次の変化です。

  • 以前より事実と推測を分けられるようになったか
  • 仮説を複数持てるようになったか
  • 無駄な確認や作業が減ったか
  • 判断までの時間が短くなったか
  • 判断ミスを修正する速度が上がったか

まだ、成果は分かりません。

これは成功した体験談ではなく、これから始める実験の計画です。

「乃木憂助みたいな思考力がほしい」と思った。

でも、よく考えると、単にIQが高い人になりたいわけではなかった。

状況を見て、足りない情報を見つけて、仮説を出して、余計なことをせず、必要な一手を選ぶ。

その能力が欲しいのです。

明日から、まずDay 1を始めます。

最初に自分へ聞く質問は、これです。

> 今、何を知らない?

参考リンク

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