最近、attrip.jpで小さなゲームや実験を次々と作っている。
絵を描く。ロゴを作る。人間を動かす。車を走らせる。ローグ系ゲームを作る。
一見すると、全部ばらばらに見える。
でも自分の中では、少しずつつながっている。
最初から大きな完成品を作るのではなく、まず「何ができるのか」を小さく作る。触る。面白いもの、使えるものを見つける。別の実験とつなげる。そこからまた作る。
この記事も、その途中で読めるようにした。以下の実験は、今すぐ遊ぶを押したときだけ記事内に読み込む。同時に動くのは一つだけだ。
いきなりゴールを作るのは難しい
最近分かってきたことがある。
「ロゴを作る」「格闘ゲームを作る」「面白いゲームを作る」と、完成形から始めると難しい。
だから、もっと手前まで戻る。
ロゴを作る前に絵を描く。格闘ゲームを作る前に人間を動かす。面白いゲームを作る前に、単純なゲームシステムを作ってみる。
作れないなら、作れるところまで戻る。そして小さな「作れる」を残していく。
最初は「絵を描く」だった
最初にやったのは、とても単純なことだった。絵を描く。
AIで画像を作っているうちに、「絵を作れるなら、ロゴも作れるのでは?」と思った。ここから最初の枝が生まれた。
01 / DRAW → LOGO
絵を描いて、ロゴにしてみる
複雑な完成ロゴを先に狙わず、まず形を描き、そこから残せる輪郭を探す。
- 操作
- 描く → ロゴ用の流れへ渡す。
- 分かったこと
- ロゴに必要な単純さは、最後に削るだけでなく、最初の絵の制約にもできる。
普通の画像とロゴでは、必要なものが違う。形を単純にする。輪郭を明確にする。余計な情報を削る。SVGなどへ変換しやすい形にする。
完成したロゴをいきなり作ろうとするから難しいのかもしれない。だったら最初の「絵を描く」側に制約を入れてしまえばいい。
次は「人間を動かす」
次に考えたのが、人間を動かすことだった。
最初は単純に、「人間を動かせれば、格闘ゲームだって作れるのでは?」と思った。
でも格闘ゲーム以前に、「人間をちゃんと動かす」こと自体が難しかった。そこでまたゴールから戻った。
格闘ゲームを作る。攻撃を作る。いろいろなACTIONを作る。まず人間をちゃんと動かす。
02 / HUMAN
人間を動かす
歩く、走る、跳ぶ。まず一人の体を、自分の操作で動かしてみる実験。
- 操作
- 画面内の矢印とジャンプで動かす。
- 分かったこと
- ゲームの前に、動きそのものに何度も触れたくなる瞬間がある。
ACTIONをたくさん作った。でも使わなかった
最初は人間のACTIONを一覧化した。歩く。走る。ジャンプする。つかむ。投げる。
一覧からACTIONを選べるようにした。理屈では便利なはずだった。
でも、実際に触ってみると自分は使わなかった。遊んでいる最中に「歩くを選ぶ」「次につかむを選ぶ」とはやらない。

FAILED BRANCH / ACTION LIST
人の動きを見る
64の動きを一覧から選んで再生する実験。作ったけれど、遊ぶための操作にはならなかった。
- 操作
- 動きを選び、再生する。
- 分かったこと
- 機能として整理されていることと、実際に使いやすいことは違う。
だからACTIONを増やすことはいったんやめて、「人を動かす」ことだけにもう一度フォーカスした。
小さく作ったからこそ、早い段階で「これは使わない」と分かった。この失敗は消さないでおきたい。
人間を動かしていたら、3Dが少し分かってきた
人間を動かす実験を続けていると、3Dモデルをどう扱えばいいのかが少しずつ分かってきた。
そこで別の疑問が生まれた。だったら、車も動かせるのでは?
絵とロゴから学んだ「形」と、人間を動かして学んだ「動き」が、ここで少し近づいた。
車を動かしてみる
03 / CAR
車を運転する
直線、コーナー、テクニカル。3周の記録を残す、車のタイムアタック。
- 操作
- WASDまたは矢印キー。画面内の前進・左右・ブレーキでも運転できる。
- 分かったこと
- 形だけでは車にならない。操作した結果の曲がり方まで作ると、急に触りたくなる。
説明を読んでからゲームを探すのではなく、説明のすぐ下で触る。触ったあとで文章へ戻る。その順番のほうが、何を試していたのかが自分にも伝わる気がする。
そして突然、別の枝が生えた
この制作は一本道ではない。
そのころローグ系ゲームを見て、「これも作ってみたい」と思った。車の続きではない。完全に別の枝として、ローグ系ゲームを作り始めた。
単純なローグ系ゲームを作ってみた
実際に作ってみると、基本構造は驚くほど単純だった。
マップを歩く。敵と戦う。アイテムを拾う。強くなる。階段を探す。次の階へ進む。
でも、単純なのに深い。
敵を少し強くするとどうなるのか。アイテムを置くと、なぜ探索したくなるのか。成長すると、なぜ「あと一階」と思うのか。自分で作ることで、人がゲームシステムの何を面白いと感じるのかを勉強できるようになった。
04 / ROGUE
階段の大冒険
武器を育て、敵とぶつかり、階段の先へ進む小さなダンジョン。
- 操作
- 矢印で歩く。敵にぶつかって攻撃し、拾って、階段を降りる。
- 分かったこと
- 一つだけ変えて遊べるから、面白さの理由を近くで観察できる。
小さなゲームは「面白さの実験装置」だった
大きなゲームでは、何が面白さを作っているのか分かりづらい。グラフィックなのか。音楽なのか。物語なのか。成長なのか。戦闘なのか。
でも単純なゲームなら、一つだけ変えて試せる。
敵を強くする。武器を追加する。マップを広げる。階段の位置を変える。
一つ変えるたびに、人間がどう感じるかを見ることができる。だから最近作っている小さなゲームは、完成品というより「面白さの実験装置」なのだと思う。
全部バラバラに見える。でも、つながっていく
すべてをきれいにつなげる必要はないと思っている。先端には「?」を残す。何につながるかは、まだ分からないからだ。
だから僕はいま、単純なものをたくさん作っている
完成した大作を一本作るよりも、いまは基本となるものをたくさん作りたい。
人を歩かせる。車を走らせる。物をつかむ。敵と戦う。絵を描く。形を作る。
一つひとつは大したものではない。でも「できること」が100個あったら、その組み合わせはものすごい数になる。
作ってみなければ、どれが面白いのか、どれが使えるのか、どれとどれがつながるのかは分からない。
だからまず作る。触る。ダメなら捨てる。面白かったら深掘りする。そして別のものとつなげる。
AIで「作ってから考える」ができるようになった
以前なら、小さな実験を一個作るだけでも大変だった。だから、企画して、設計して、慎重に作る必要があった。
でもAIを使うことで、小さな実験を作るコストが大きく下がった。すると制作の順番を逆にできる。
「考えてから作る」だけではなく、「作ってから考える」ことができる。
僕はいま、その方法を試している。

自分が作れるものの地図を広げている
だから、最近やっていることを一言で説明するなら、「ゲームをたくさん作っている」でも、「AIで遊んでいる」だけでもない。
自分が作れるものの地図を広げている。
一つ作るたびに地図に点が増える。点と点がつながる。そこから新しい道が生まれる。
その先に何があるのかは、まだ分からない。だから面白い。






