なぜ僕はいま、単純なゲームや「動き」を作っているのか

公開日 · 更新日 · 8 MIN READ · 理解の記録

RECORD / 2026

最近、attrip.jpで小さなゲームや実験を次々と作っている。

絵を描く。ロゴを作る。人間を動かす。車を走らせる。ローグ系ゲームを作る。

一見すると、全部ばらばらに見える。

でも自分の中では、少しずつつながっている。

最初から大きな完成品を作るのではなく、まず「何ができるのか」を小さく作る。触る。面白いもの、使えるものを見つける。別の実験とつなげる。そこからまた作る。

この記事も、その途中で読めるようにした。以下の実験は、今すぐ遊ぶを押したときだけ記事内に読み込む。同時に動くのは一つだけだ。

いきなりゴールを作るのは難しい

最近分かってきたことがある。

「ロゴを作る」「格闘ゲームを作る」「面白いゲームを作る」と、完成形から始めると難しい。

だから、もっと手前まで戻る。

ロゴを作る前に絵を描く。格闘ゲームを作る前に人間を動かす。面白いゲームを作る前に、単純なゲームシステムを作ってみる。

作れないなら、作れるところまで戻る。そして小さな「作れる」を残していく。

最初は「絵を描く」だった

最初にやったのは、とても単純なことだった。絵を描く。

AIで画像を作っているうちに、「絵を作れるなら、ロゴも作れるのでは?」と思った。ここから最初の枝が生まれた。

普通の画像とロゴでは、必要なものが違う。形を単純にする。輪郭を明確にする。余計な情報を削る。SVGなどへ変換しやすい形にする。

完成したロゴをいきなり作ろうとするから難しいのかもしれない。だったら最初の「絵を描く」側に制約を入れてしまえばいい。

次は「人間を動かす」

次に考えたのが、人間を動かすことだった。

最初は単純に、「人間を動かせれば、格闘ゲームだって作れるのでは?」と思った。

でも格闘ゲーム以前に、「人間をちゃんと動かす」こと自体が難しかった。そこでまたゴールから戻った。

格闘ゲームを作る。攻撃を作る。いろいろなACTIONを作る。まず人間をちゃんと動かす。

02 / HUMAN

人間を動かす

歩く、走る、跳ぶ。まず一人の体を、自分の操作で動かしてみる実験。

人間を動かすWebGL実験で、人物モデルを操作している実際の画面
操作
画面内の矢印とジャンプで動かす。
分かったこと
ゲームの前に、動きそのものに何度も触れたくなる瞬間がある。

ACTIONをたくさん作った。でも使わなかった

最初は人間のACTIONを一覧化した。歩く。走る。ジャンプする。つかむ。投げる。

一覧からACTIONを選べるようにした。理屈では便利なはずだった。

でも、実際に触ってみると自分は使わなかった。遊んでいる最中に「歩くを選ぶ」「次につかむを選ぶ」とはやらない。

整然と並ぶACTION一覧を使わず、4つの方向キーで人型を直接動かす制作風景

だからACTIONを増やすことはいったんやめて、「人を動かす」ことだけにもう一度フォーカスした。

小さく作ったからこそ、早い段階で「これは使わない」と分かった。この失敗は消さないでおきたい。

人間を動かしていたら、3Dが少し分かってきた

人間を動かす実験を続けていると、3Dモデルをどう扱えばいいのかが少しずつ分かってきた。

そこで別の疑問が生まれた。だったら、車も動かせるのでは?

絵とロゴから学んだ「形」と、人間を動かして学んだ「動き」が、ここで少し近づいた。

車を動かしてみる

03 / CAR

車を運転する

直線、コーナー、テクニカル。3周の記録を残す、車のタイムアタック。

車を運転する3Dドライブで、コース上の車を見ている実際の画面
操作
WASDまたは矢印キー。画面内の前進・左右・ブレーキでも運転できる。
分かったこと
形だけでは車にならない。操作した結果の曲がり方まで作ると、急に触りたくなる。

説明を読んでからゲームを探すのではなく、説明のすぐ下で触る。触ったあとで文章へ戻る。その順番のほうが、何を試していたのかが自分にも伝わる気がする。

そして突然、別の枝が生えた

この制作は一本道ではない。

そのころローグ系ゲームを見て、「これも作ってみたい」と思った。車の続きではない。完全に別の枝として、ローグ系ゲームを作り始めた。

単純なローグ系ゲームを作ってみた

実際に作ってみると、基本構造は驚くほど単純だった。

マップを歩く。敵と戦う。アイテムを拾う。強くなる。階段を探す。次の階へ進む。

でも、単純なのに深い。

敵を少し強くするとどうなるのか。アイテムを置くと、なぜ探索したくなるのか。成長すると、なぜ「あと一階」と思うのか。自分で作ることで、人がゲームシステムの何を面白いと感じるのかを勉強できるようになった。

04 / ROGUE

階段の大冒険

武器を育て、敵とぶつかり、階段の先へ進む小さなダンジョン。

階段の大冒険で、B1Fのダンジョンを探索している実際のプレイ画面
操作
矢印で歩く。敵にぶつかって攻撃し、拾って、階段を降りる。
分かったこと
一つだけ変えて遊べるから、面白さの理由を近くで観察できる。

小さなゲームは「面白さの実験装置」だった

大きなゲームでは、何が面白さを作っているのか分かりづらい。グラフィックなのか。音楽なのか。物語なのか。成長なのか。戦闘なのか。

でも単純なゲームなら、一つだけ変えて試せる。

敵を強くする。武器を追加する。マップを広げる。階段の位置を変える。

一つ変えるたびに、人間がどう感じるかを見ることができる。だから最近作っている小さなゲームは、完成品というより「面白さの実験装置」なのだと思う。

全部バラバラに見える。でも、つながっていく

絵を描くロゴ形を学ぶ3D
人間を動かすACTION一覧使わなかった動きを深掘り
3D動き車を動かす
ローグ系ゲームゲームシステム面白さを研究する
先端はまだつながっていない。だから次に何を試すかが残っている。

すべてをきれいにつなげる必要はないと思っている。先端には「?」を残す。何につながるかは、まだ分からないからだ。

だから僕はいま、単純なものをたくさん作っている

完成した大作を一本作るよりも、いまは基本となるものをたくさん作りたい。

人を歩かせる。車を走らせる。物をつかむ。敵と戦う。絵を描く。形を作る。

一つひとつは大したものではない。でも「できること」が100個あったら、その組み合わせはものすごい数になる。

作ってみなければ、どれが面白いのか、どれが使えるのか、どれとどれがつながるのかは分からない。

だからまず作る。触る。ダメなら捨てる。面白かったら深掘りする。そして別のものとつなげる。

AIで「作ってから考える」ができるようになった

以前なら、小さな実験を一個作るだけでも大変だった。だから、企画して、設計して、慎重に作る必要があった。

でもAIを使うことで、小さな実験を作るコストが大きく下がった。すると制作の順番を逆にできる。

「考えてから作る」だけではなく、「作ってから考える」ことができる。

僕はいま、その方法を試している。

絵、人の動き、車、階段が一部だけつながり、その先に疑問符が残る未完成の制作地図

自分が作れるものの地図を広げている

だから、最近やっていることを一言で説明するなら、「ゲームをたくさん作っている」でも、「AIで遊んでいる」だけでもない。

自分が作れるものの地図を広げている。

一つ作るたびに地図に点が増える。点と点がつながる。そこから新しい道が生まれる。

その先に何があるのかは、まだ分からない。だから面白い。

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