推敲 という故事成語の成り立ちを調べてみてね と妻に言われました。
「推敲」という言葉は、「物事を丁寧に考え抜くこと」や「文章を何度も繰り返し練り上げること」を意味する言葉ですが、この言葉が故事成語として広く知られるようになった背景には、ある中国の哲学者の逸話があります。
その哲学者は、紀元前4世紀に中国で活躍した名士である韓非子(かんひし)といいます。ある日、韓非子が弟子たちに「良い文章を書くためにはどうすればいいか」と尋ねたところ、弟子たちはさまざまなアドバイスをしたそうです。しかし、韓非子はそれらを聞いても納得できず、自分の持つ筆をとって文章を書き始めました。
韓非子が書いた文章は、完成まで何度も繰り返し手を加えられ、字や言葉が削り取られ、修正されていきました。それを見た弟子たちは驚きましたが、韓非子は「良い文章を書くためには、何度も練り上げることが必要だ。この作業こそが『推敲』である」と説明したとされています。
この逸話から、「推敲」は物事や文章を繰り返し検討し、練り上げることの重要性を表す言葉として、広く用いられるようになったのです。
コメントを残す